犯罪・刑事事件の解決事例
#不当解雇

市傘下の法人で不当な雇止め 契約社員勝利の調停

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北神 英典 弁護士が解決
所属事務所法律事務所横浜きぼうの杜
所在地神奈川県 横浜市中区

この事例の依頼主

40代 女性

相談前の状況

公的事業を手掛ける市の外郭団体で、不当な雇止めを受けたという女性が相談に来られました。雇用契約自体は1年契約でしたが、数年にわたって更新され、直前には団体トップが現在働いている女性たちをいきなり雇止めにすることはないと明言していました。にもかかわらず、半年ほど経過後、女性は突然雇止めに遭いました。

解決への流れ

女性を「雇止めにはしない」と発言をしていたのは、この法人の代表者でした。女性は、その時の代表者の発言をICレコーダーで記録をしていました。このICレコーダーの音声を文字に起こして、これを証拠として、労働審判を申し立てました。労働審判では、代表者自身が、1年契約で働いていた女性に対しいきなり雇止めにすることはない等、雇用継続について合理的期待を抱かせる言動をしていたものとして、雇止めが、雇用継続に対する女性の合理的期待を侵害するものと評価されました。本件は、この音声が決め手の証拠となって、期間満了による雇用契約の終了(更新拒絶)は認められませんでした。

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北神 英典 弁護士からのコメント

一般に雇用期間が「3カ月」とか「1年」とか定められた有期雇用契約を結んでいる労働者は、契約期間満了後も雇用が継続されるかどうか保障されているものではありません。しかし例外として、労働者の雇用継続に対する期待が合理的なものである場合には、契約更新が認められるものとされています。本件は、法人の代表者が自ら「いきなり更新拒絶にすることはない」旨明言した、その舌の根も乾かないうちに雇止めにしたものであり、労働審判でも女性の雇用継続に対する期待が合理的なものであると認められました。