犯罪・刑事事件の解決事例
#財産目録・調査 . #遺産分割

遺産分割協議と遺産の範囲

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本山 健 弁護士が解決
所属事務所本山健法律事務所
所在地埼玉県 新座市

この事例の依頼主

40代 女性

相談前の状況

父が死亡し、母と子3人(長男、長女、二男)が法定相続人であり、自分は二男である。長男は父の生前、父の経営していた会社に深く関わり、父も長男を信頼していたようである。父が死亡した後、長男は、「父の財産は全部俺の者だ」と言って、通帳すら見せてくれない。父は生前、母には財産をすべて明らかにしていた。どのように対処すべきか。

解決への流れ

相続人の関係として、母と長女、二男が協力的であったことから、母ら3名の代理人として、長男に対し、父の財産を開示するよう求めた。長男は開示請求を拒絶したため、母が知っていた情報に基づき、父名義の預貯金口座のある金融機関に対し、弁護士法に基づく照会請求を行い、回答を得た。預金の推移を見ると、父死亡後にも預金払戻しが認められたことから、長男に対し、父死亡時の残高を基準に遺産分割をすべきである旨を申し入れた結果、長男もこれを受け入れ、遺産分割協議が成立した。

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本山 健 弁護士からのコメント

相手方(長男)の任意の協力が得られるのが望ましいことですが、それができないとき、金融機関を特定することができれば、弁護士には調査する方法が法律で認められています。そして、亡くなった方の財産は相続開始により相続人の共有となりますので、他の相続人の同意を得ずに預金を払い戻すことはできませんし、これをした場合は、死亡当時の状態に原状回復してもらわなければなりません。このケースでも調査によって得た客観的な証拠を積み重ねることで、長男に言い逃れを許さなかったことが解決につながりました。