この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
「相手の弁護士から、突然、『あなたの遺産の取り分はありません。』という手紙が届いたのですが…」というご相談です。手紙を拝見すると、その相続人には寄与分があるからご相談者には遺産の取得分はない、必要書類にハンコを押して送り返してほしい、と書いてありました。ご依頼を受け、私が代わりに交渉にあたることとなりました。
解決への流れ
私が寄与分の主張は認められないと主張したところ、相手方代理人は調停を申し立てました。私は、過去の裁判例や文献を調査した上で、相手方の寄与分の主張が認められないことを丁寧に主張しました。また、相手方代理人に被相続人の預金通帳を開示させ、その取引履歴から、相手方代理人が気付いていなかった株式等の財産を発見し、遺産に加えるよう主張しました。結果、総額200万円の遺産を取得する内容の調停が成立しました。
遺産分割において、相手が寄与分や特別受益の主張をしてくることがあります。その場合、文献や過去の裁判例をリサーチして、的確に反論することにより、遺産の取得分を確保したり、増額することができます。また、相手方が作成する遺産目録が遺産のすべてであるとは限りません。本件では、私が相手方代理人に預金通帳の開示を求め、履歴を丹念に調べていったことから、株式等の財産を発見し、遺産を増額することができました。