この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
30代のAさんは、イタリアンレストランで主任として勤務していました。定時である19時までに仕事を終えて帰ることのできる日はほとんどありませんでした。だいたい、毎日2時間から4時間程の残業が発生していました。しかし、レストラン側はAさんの残業に対して残業代を全く払っていませんでした。このような勤務に不満を持ったAさんは、会社を辞めると同時に、残業代を請求することを決意して、法律相談を受けることになりました。
解決への流れ
交渉により、約180万円の解決金を受け取ることができました。Aさんの場合、レストランにおいて主任という地位にありました。ですから、法律上残業代を請求することのできない「管理監督者」に該当することかどうかが問題となりました。しかしながら、法律相談において勤務状況について詳しく聞いたところ、勤務時間について自分で決めることができず、スタッフに関する人事には全く関与していなかったことから、管理監督者には該当しないとの判断ができました。それを前提に会社との交渉を続けました。その結果、約3ヶ月後には会社が約180万円の解決金を支払うという内容の和解が成立しました。
残業代の請求に関しては、当事者が直接支払ってほしいという話をしても支払ってくれないことがほとんどです。弁護士が介入することで支払わないと「訴訟沙汰になるのではないか」と会社側に認識させることが大事です。そして、訴訟になるよりも、交渉段階で支払ってしまった方が得であると会社が思ってくれれば、支払いをしてくれることが結構多いです。重要なのは、「訴訟沙汰になるのではないか」と思わせることと、「交渉で支払ってしまった方が得です」と思ってもらうように法的構成をきちんとして、相手方に深刻な状況に置かれていることを認識してもらうことです。